簡単に言ってしまえば、魚ごとに将来も食べ続けることが出来る量を科学的に導き出し、その8割くらいの量の魚を捕るような制度を作れば良いのです。



  • 科学者
  • この魚は800tまで捕っても、10年後でも資源量は減りません。


  • 政府の人
  • じゃその8割の640tにして、国で制限をかけましょう。

実はこの方法、アメリカをはじめカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ノルウェーをはじめとした北欧諸国、そしておとなり韓国も導入し、すべての国が成功を収め魚が増えています。これらの国々は、そこからさらに進んで、先程の8割くらいの量を、漁が始まる前にあらかじめ各漁業者に振り分けちゃってるんです。



  • 政府の人
  • 今年は全体で640tまでしか捕れませんよ。なのでA漁師さんには100 t、B漁師さんには150 t、C漁師さんは船も小さいので60 t、D漁師さんには… で、合計640 tです。ちゃんと守って下さいねっ。

漁業はどこの国でも、数量を多く捕って売り上げを上げるという方法を取ってきました。特に日本は大漁旗に象徴されるように、たくさん捕ることを最高の価値観としてきました。 しかしその数量が制限されてしまうのです。日本に限らずこれは漁師にとって由々しき問題です。

諸外国では政府からこのようなお達しが届いて、漁師たちはどんな工夫をしたと思いますか?

漁業に限らず、売り上げというものは
売上=数量×単価
なのです。

そう! 捕る量が制限されてしまった漁師たちは、単純に単価を上げる工夫をしたのです。

具体的には、



  • 漁師C
  • 去年は80tだったのに、今年は60tまでしか捕れないから、去年並みの売り上げを確保するためには、もっと単価の高い魚を捕らなくちゃ!

ってことになります。

で、どういう魚を捕ったのでしょう?
安価な養殖魚や水族館のエサにしかならない小さな魚を避けて、消費者が喜ぶ、丸々と太った美味しい魚だけを選んで捕るようになったのです。
同じ60tしか捕れないなら、100円でしか売れない魚を捕るより、1000円で売れる魚を捕るよね?誰でも。


こうして、将来大きくなる子供の魚は海に残され、すでに産卵した大きな魚だけを、捕るようになりました。またあらかじめ振り分けたので制限が厳格に守られ、数年もすると海に魚がどんどん増えてきました。

もっとも漁業で成功したと言われるノルウェーの漁師が言いました。

ノルウェーの海には日本人が食べても余りあるストックがある。安心して売ってくれ

科学的に導き出した将来も食べ続けることが出来る量=ABC(Acceptable Biological Catch)
ABCを踏まえ政府が決めた最大漁獲量=TAC(Total Allowable Catch)
漁が始まる前にあらかじめ各漁業者に振り分けた漁獲量=IQ(Individual Quota)

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